毛髪治療(育毛・増毛)
頭皮・毛髪を拡大して「見る」ことから始める、局所注入による毛髪治療
薄毛や抜け毛の原因、進行のしかたは一人ひとり異なります。
当院では、まず頭皮・毛髪を拡大写真(トリコスコピー)で拡大観察し、毛髪の太さや密度、毛穴の状態、頭皮の炎症などを確認します。そのうえで、必要に応じて幹細胞培養上清やKLOSOME(クロソーム)を頭皮へ局所注入し、毛髪・毛包のコンディション改善を目指します。
脱毛には男性型・女性型脱毛症だけでなく、円形脱毛症、休止期脱毛症、炎症性・瘢痕性脱毛症などさまざまな原因があるため、治療前に状態を評価することが重要です。

30~60分程度
表面麻酔・局所麻酔を使用します
当日からデスクワークなど通常の日常生活が可能です
施術当日は頭皮への強い刺激を避け、洗髪は原則として翌日から可能です
このような方におすすめ
- 最近、抜け毛が増えてきたと感じる方
- 髪の毛が以前より細くなってきた方
- 頭頂部や分け目の地肌が目立ってきた方
- 生え際や前頭部の薄毛が気になる方
- 髪全体のボリュームが減ってきた方
- 男性型脱毛症(AGA)・女性型脱毛症が気になる方
- 内服薬・外用薬だけでなく、局所治療も組み合わせたい方
施術内容
「髪が減った」という自覚症状が同じでも、その背景は一人ひとり異なります。
当院では問診と診察に加え、トリコスコピーによる頭皮・毛髪の拡大画像分析を行います。
トリコスコピーとは
トリコスコピーを用いることで、肉眼では分かりにくい頭皮や毛髪を拡大して観察できます。
主に、
- 毛髪の密度
- 毛髪1本1本の太さ
- 太い毛と細い毛の割合
- 毛髪の細毛化(ミニチュア化)
- 毛穴から生えている毛髪の本数
- 頭皮の赤み
- 毛穴周囲の炎症
- 鱗屑や皮脂などの頭皮環境
などを確認します。
トリコスコピーでは毛幹径や毛包・頭皮の所見を非侵襲的に観察でき、各種脱毛症の診断や経過評価に活用されています。
初回の状態を画像として記録しておくことで、治療後も同じ部位を比較し、感覚だけでなく客観的に変化を追跡することができます。

頭皮への局所注入療法
当院では、頭皮の状態や薄毛の程度、ご希望などを確認したうえで、製剤を薄毛の気になる部分へ少量ずつ局所注入します。
頭皮へ直接投与することで、使用する製剤を毛包の存在する部位の近くへ局所的に届けることを目的とした治療です。
当院では、以下の3種類から製剤を選択します。
幹細胞培養上清とは、幹細胞そのものではなく、幹細胞を培養した際に細胞から分泌されたさまざまな成分を含む培養液です。
培養上清には、サイトカインや成長因子、細胞外小胞など、細胞間の情報伝達に関係する複数の成分が含まれます。
脂肪組織由来幹細胞培養上清については、脱毛症患者を対象に頭皮へ皮内投与した臨床研究が報告されています。40名を対象に月1回、6か月間投与した研究では、毛髪密度や成長期毛の割合などの変化が報告されています1)。
臍帯由来幹細胞を培養した際に得られる培養上清を使用します。
臍帯由来間葉系幹細胞の培養上清についても、毛包・毛髪への作用を検討する基礎研究や小規模な臨床研究が行われています。ヒトを対象としたパイロット研究でも毛髪再生への可能性が報告されています2)。
脂肪組織由来と臍帯由来では含まれる分泌因子の構成が同一ではないため、医師が頭皮・毛髪の状態や治療歴などを確認して選択します。
KLOSOMEは、幹細胞由来エクソソームと、長寿・老化研究で注目されるタンパク質「Klotho(クロトー)」を含むことを特徴とする製剤です。
KLOSOMEにはKlothoのほか、FGF、VEGF、EGF、KGF、PDGF、IGFなど複数の関連因子が確認されています。このうちPDGFなどは毛髪形成・成長との関連が知られています。
Klothoは老化研究から発見されたタンパク質ですが、近年はヒトの毛包にも影響することが報告されています。ヒト毛包の器官培養実験では、Klothoの発現を抑えると毛髪成長が抑制され、Klothoタンパク質を添加すると毛髪成長期間が延長しました。

3つの製剤から、一人ひとりに合わせて選択
| 製剤 | 特徴 |
|---|---|
| 脂肪組織由来幹細胞培養上清 | 脂肪組織由来幹細胞から分泌される多様なサイトカイン・成長因子等を含む培養上清。毛髪領域での臨床研究があります |
| 臍帯由来幹細胞培養上清 | 臍帯由来幹細胞の培養上清。毛包・毛髪への作用について基礎・臨床研究が進められています |
| KLOSOME | 幹細胞由来エクソソームに加えてKlothoを含むことが特徴。Klothoとヒト毛包・毛周期との関連が研究されています |
| どの製剤が適しているかは、薄毛のタイプ、進行度、反応性、これまでの治療歴などによって異なります。 | |
治療効果の評価と治療回数
毛髪は皮膚のように数日で大きく変化する組織ではなく、成長期・退行期・休止期からなる毛周期を繰り返しています。
そのため、毛髪治療では施術直後の見た目だけで判断せず、一定期間をおいて毛髪密度や毛径などを比較することが重要です。
当院ではトリコスコピー画像を記録し、
治療前 → 治療経過 → 治療後
と同じ部位を比較しながら、継続の必要性を判断します。
必要な治療回数や間隔は、薄毛の原因、使用する製剤、治療への反応によって異なるため、診察時にご提案します。
他の毛髪治療との組み合わせ
男性型・女性型脱毛症では、局所注入療法だけが治療選択肢ではありません。
診断に応じて、外用薬、内服薬、生活習慣・栄養状態への対応などを組み合わせることがあります。
すでに他院でAGA治療などを受けている場合も、自己判断で治療を中止せず、現在使用している薬剤を診察時にお知らせください。
施術の方法
- カウンセリング・医師診察
抜け毛が始まった時期、薄毛の進行、家族歴、既往歴、使用中のお薬、これまでの毛髪治療などを確認します。 - トリコスコピーによる拡大画像分析
治療部位の頭皮と毛髪を拡大撮影します。
毛髪密度、毛髪の太さ、細毛化、毛穴や頭皮の状態などを確認し、治療前の画像を記録します。 - 製剤の選択
診察結果とご希望に応じて、
• 脂肪組織由来幹細胞培養上清
• 臍帯由来幹細胞培養上清
• KLOSOME
から使用する製剤を選択します。 - 消毒、クリーム麻酔、局所麻酔
治療範囲を消毒します。
クリーム麻酔、局所麻酔を併用して注射時の痛みを和らげます。 - 頭皮への局所注入
医師が薄毛・細毛化の認められる範囲へ、製剤を少量ずつ局所注射します。 - 術後確認
出血や腫れなどがないことを確認して終了します。
必要に応じて、次回のトリコスコピー評価・治療時期をご案内します。
術前診察と治療法選択のポイント
以下に該当する方は、施術を延期またはお断りする場合があります。
- 妊娠中・授乳中、または妊娠の可能性がある方
- 頭皮に感染症、強い炎症、化膿性病変などがある方
- 用する製剤・麻酔薬等にアレルギー歴がある方
- 出血しやすい疾患のある方
- 抗凝固薬・抗血小板薬等を使用している方
- 重篤な基礎疾患のある方
- 医師が局所注入療法より別の脱毛症治療を優先すべきと判断した方
特に、急速に進行する脱毛や円形の脱毛斑、頭皮の瘢痕・強い炎症などがある場合は、別の疾患が隠れていないかを確認することが重要です。
術後経過
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注射部位に軽い痛みや圧痛を感じる場合があります。通常は時間とともに軽快します。 |
|---|---|
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注入部位に一時的な赤みや軽い腫れが生じることがあります。 |
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注射針を使用するため、施術直後に少量の出血がみられることがあります。 |
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まれに小さな内出血が生じる場合があります。通常は自然に吸収されます。 |
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施術当日は頭皮を強くこすったり刺激したりすることを避け、原則として翌日から通常の洗髪が可能です。 |
起こりうるリスク
局所注入療法では、以下の症状が生じる可能性があります。
痛み、赤み、腫れ、点状出血、内出血、かゆみ、頭皮の刺激感、アレルギー反応、毛包炎、感染等
また、毛髪の状態や治療への反応には個人差があるため、治療を行っても十分な変化を実感できない可能性があります。
施術後に強い痛み、腫れ、熱感、膿、発熱などがみられた場合には、当院へご連絡ください。
1)K Narita et al. 2020, Dermatologic Surgery
2)C Mathen et al. 2021, Journal of Cosmetic Dermatology
3)XH Jin et al. 2019, Annals of Dermatology
料金
| 毛髪治療 | 使用製剤 | 製剤料金 | 医師手技料 | 合計 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 脂肪組織由来幹細胞培養上清 1ml | 脂肪組織由来幹細胞の培養上清を使用します。 | ¥55,000 | ¥44,000 | ¥99,000 | |
| 臍帯由来幹細胞培養上清 1ml | 臍帯由来幹細胞の培養上清を使用します。 | ¥77,000 | ¥44,000 | ¥121,000 | |
| KLOSOME 1本 | Klothoと幹細胞由来エクソソームを特徴とする製剤です。 | ¥66,000 | ¥44,000 | ¥110,000 | |
| ※製剤1本あたりの料金 | |||||
FAQ
男性型脱毛症と女性型脱毛症では病態などが異なるため、まず診察・トリコスコピーで状態を確認します。
治療前後のトリコスコピー画像を比較しながら、毛髪の太さ、密度などの経過を時間をかけて評価します。必要な治療回数には個人差があります。
脂肪組織由来・臍帯由来の幹細胞培養上清と、Klothoを特徴とするKLOSOMEでは、由来や含有成分が異なります。
すでに治療中の場合は、使用している薬剤を診察時にお知らせください。自己判断で内服・外用を中止する必要はありません。
本施術は自由診療です。
- 医薬品医療機器等法上の承認
- 本施術で使用する脂肪組織由来幹細胞培養上清、臍帯由来幹細胞培養上清およびKLOSOMEは、育毛・増毛を目的とする医薬品・医療機器・再生医療等製品として日本国内で承認された製品ではありません。
- 入手経路
- 脂肪組織由来幹細胞培養上清・臍帯由来幹細胞培養上清は株式会社バイオセラピー研究所が製造した製品を入手しています。KLOSOME®はEHL BIO社が製造した正規品を、国内正規代理店の国内流通ルートを通じて入手しています。
- 国内承認医薬品等の有無
- 本施術で使用する各製剤と同一の成分・性能を有する国内承認医薬品等はありません。一方、男性型・女性型脱毛症については、診断・性別等に応じて国内で承認された薬剤による治療選択肢があります。
- 諸外国における安全性等に係る情報
- 幹細胞培養上清を毛髪治療に応用したヒト臨床研究は海外および国内から報告されていますが、製造法・投与方法・評価方法も統一されておらず、有効性・長期安全性は確立していません。KLOSOMEは韓国において化粧品として承認された製品ですが、日本では医師の判断のもと自由診療として使用します。
- 医薬品副作用被害救済制度等について
- 国内未承認の製品を用いる治療であるため、万一健康被害が生じた場合、国の医薬品副作用被害救済制度等の対象にならない場合があります。
- 主なリスク・副作用
- 痛み、赤み、腫れ、点状出血、内出血、かゆみ、刺激感、アレルギー反応、毛包炎、感染等が生じる可能性があります。また、十分な効果を実感できない可能性があります。




