PDOスレッドリフト

施術内容

非常に細い針を用いて髪の毛より細い極細の吸収糸を皮膚内に挿入し、糸だけを皮膚の下に留置する施術です。
挿入した糸が溶けてなくなるまで皮下組織の中で刺激を与え続けるため、長期的なコラーゲン生成によるお肌のはり・つや・肌の色などの肌質改善、たるみや毛穴の引き締め、タイトニングなどの若返り効果が見込めます。

糸は PDO（ポリジオキサノン）という医療用吸収性素材を成分としており、数ヶ月〜半年ほどで分解され吸収されるため、体に糸が永久に残ることはありません。
クリーム麻酔後に針を挿入して抜くだけの簡単な施術のため、施術時間が短く、ダウンタイムもほとんどなく、安全・手軽に受けていただけます。施術した直後でも買い物に出かけられる美容鍼のような気軽さから、ショッピングリフトという名前で呼ばれることもあります。

PDOスレッドリフト（ショッピングリフト）の対象

PDOスレッドリフトは肌質の改善を目的とした治療ですので、顔面、頸部のさまざまな部位の治療が可能です。

代表的な治療部位

• 額
• 眉間
• 目元
• 頬
• ほうれい線
• マリオネットライン
• 顎
• 首　など

治療部位の面積や、期待する治療効果によって使用するスレッドの本数は異なりますが、一つの部位に使用するスレッド本数のおおよその目安は20〜50本ほどです。

PDOスレッドリフト（ショッピングリフト）の効果と治療回数

治療直後からすぐに、リフトアップやハリの改善を実感していただけます。
スレッドが分解吸収される期間、組織を刺激してコラーゲン等の美肌成分生成を助けるため、肌色や毛穴などの肌質改善、タイトニングもじょじょに効果を発揮していきます。
スレッドは部位や体質により個人差はありますが、およそ半年ほどで吸収分解されます。そのため、若々しさの維持のためには1年に2、3回の継続的な治療をお奨めしています。

PDOスレッドリフト（ショッピングリフト）とTESSリフトの違い

これらは両方とも糸（スレッド）を用いた治療ですが、糸の構造もその後の経過、効果にも違いがあります。

TESSリフトは組織に引っかかる返し（バーブ）と、その周囲の3Dメッシュ構造を特徴としています。これらにより強力に垂れ下がった組織を引っ張りあげることができます。そのため、TESSリフトの働く仕組みは「牽引」であり、主目的は「たるみの改善」です。

これに対してPDOスレッドリフトの構造は吸収性素材の細い糸であり、牽引のためのバーブなどはありません。皮下に埋め込んだ糸が分解吸収される際に、組織の反応によりコラーゲンなどが生成されることを利用した治療です。そのため、PDOスレッドリフトの働く仕組みは「組織への刺激」であり、主目的は「肌質の改善とタイトニング」です。

実際にはこれらの仕組みを利用して、PDOスレッドリフト（ショッピングリフト）とTESSリフトをうまく組み合わせて治療をおこなうとより効果的です。

術前診察と治療法選択のポイント

1. ケロイド体質、糸に対するアレルギー歴や、出血が止まりにくいお薬を内服されているかなどを確認します。
2. 治療を希望される部位をお聞きし、施術部位や本数をご相談します。

起こりうるリスク

アレルギー

スレッドの成分であるPDO（ポリジオキサノン）は、医療用素材でありアレルギーのリスクが低く、安全性は確立していますが、過去にPDO糸に対するアレルギーの既往がある方は施術を受けていただくことができません。アレルギーがご不安な方は、目立たない部位に10本ほどテスト挿入し経過を確認して頂くことも可能です。

感染

ごく稀ですが、皮下の糸が感染を起こすことがあります。必要に応じて抗生剤による治療を検討します。

糸の露出

組織の収縮や顔面の動きの影響で、皮下の糸が皮膚の表に出てくることがありえます。非常に細い糸なので目立ちませんが、場合により表に出た部分の糸をカットする追加処置をおこないます。