麻酔・鎮痛について

麻酔

快適に治療を受けていただくために、当院では最適な麻酔と鎮痛の方法を提供いたします。 手術中におこなう麻酔は、痛みを軽減するのではなく、完全な無痛を実現することが目的です。 そのためにさまざまな麻酔法を組み合わせて使用します。

クリーム麻酔

主に顔面の表面の処置の際におこなう麻酔法です。
皮膚表面に麻酔薬を配合したクリームを塗布し、一時的に痛みの感覚を麻痺させます。

当院ではお肌の状態により麻酔効果の減弱が起こらないように、皮膚pH(酸性、アルカリ性のバランス)を調整したのち、じゅうぶんな麻酔時間を置いています。

麻酔部位はしばらく痺れたような違和感がありますが、通常は2〜6時間ほどでじょじょに元の感覚に戻ります。
また、点滴や注射の前にクリームやシールタイプの麻酔を塗布し、痛みをなくす目的でも使用できます。

冷却麻酔

ボトックス、ヒアルロン酸などの注射治療や、皮膚表面のレーザー治療などの際に、皮膚表面をごく短時間アイスパックで冷却し、痛みをなくす麻酔法です。

通常はクリーム麻酔と組み合わせて使用します。

点眼麻酔

まぶたの治療の際に麻酔薬を配合した目薬を点眼して、眼球表面の結膜や角膜を麻酔します。

美容治療で眼球表面に操作が加わることはありませんが、まぶたの開きの左右差を確認する時などの違和感をおさえる目的でおこないます。

局所麻酔

皮膚だけでなく、皮膚の下の脂肪や筋肉組織に対する手術操作の痛みをなくすために、麻酔薬を直接注射します。
クリーム麻酔を組み合わせたり、極細の注射針を用いることにより、局所麻酔の注射自体の痛みも抑えることができます。

当院では手術内容に応じて、短時間作用型の麻酔薬と、手術終了後の痛みも抑える長時間作用型の麻酔薬を適宜組み合わせて使用しています。

ブロック麻酔

痛みを伝える知覚神経の周囲に麻酔薬を注射する方法です。局所麻酔と手技は同じですが、神経が分布する範囲にわたって、少ない麻酔量でより広く麻酔の効果を発揮することが可能です。

知覚神経の走行が一定な顔面や手足、乳房などの手術前の麻酔や、手術終了後の痛みを抑える目的でおこなうのが一般的です。

ツメセント麻酔

局所麻酔の一種で、非常に低濃度の麻酔薬を多めに脂肪層に注射する方法です。
脂肪吸引などのボディーコンツールを改善する治療でよく用いられます。

痛みをなくすことに加えて、水分でふやけた状態にして脂肪吸引が容易におこなえる環境を作ることと、血管を傷つけないようにして出血量を減らすことを目的としておこなわれる麻酔法です。

静脈麻酔

点滴により眠気を起こす種類の麻酔薬や、鎮痛作用を持つ薬剤を投与し、眠くなった状態をつくりだす麻酔法です。通常は静脈麻酔だけでは完全な無痛は得られないため、局所麻酔と組み合わせておこなうことが一般的です。点滴の際には、クリームやシールの麻酔により痛みなく実施することが可能です。

また、静脈麻酔を先におこなうことにより、局所麻酔の注射の苦痛も感じないようにすることも可能です。
静脈麻酔を併用することにより眠っている間に治療が終了しますので、ご本人の感覚としては治療があっという間に終わったと感じられます。

手術終了時に眠気から覚醒する薬剤を投与しますが、安全管理の観点から手術当日のご自分での運転はおこなわないようにお願いしております。

鎮痛

手術前におこなう麻酔と、術後に処方する鎮痛剤は、痛みをなくし快適に治療を成功に導くための大切な両輪です。

鎮痛剤には、炎症をおさえる作用の薬剤、痛みを感じる閾値をコントロールする薬剤など、複数の種類があります。

帰宅後や手術翌日以降の痛みは軽度であれば我慢してしまう方も多いのですが、術後の痛みもコントロールした方が、さまざまな合併症のリスクが下がることが研究により報告されており、じゅうぶんな痛みのコントロールは治療のために必要であると当院では考えています。

手術の内容に応じて、ほとんどの方でじゅうぶんに痛みを抑えられる種類、量の鎮痛剤を処方しております。
痛みの感じ方には個人差も大きいので、処方した鎮痛剤で痛みが抑えきれない場合には我慢せずに医師にご相談ください。