陥没乳頭形成術
- 1〜2時間
- 静脈麻酔+局所麻酔
- 翌日からデスクワーク可能
このような方におすすめ
- 乳頭が凹んだかたちになっている
- 乳頭を引っぱっても出てこない
- 出産後に授乳しにくかったことがある
- 1回の施術でずっと続く効果持続が欲しい
施術の方法
麻酔
静脈麻酔と局所麻酔を併用することにより、痛みを感じずに眠っている間に手術を終了することができます。
ご希望の方には静脈麻酔の際に必要な点滴の前準備として、シールタイプの局所麻酔を追加することもできます。
手術
基本的には酒井2法という術式で手術をおこないます。皮膚切開線から乳管を傷つけないように丹念に延長し、皮膚の裏側から乳首を押し上げて整えます。さらに、隆起した形を維持するように、乳輪内部でハンモック状の皮膚による補強(皮弁形成術)をおこないます。
縫合は傷あとが残らないよう、吸収性の糸と非吸収性の糸を両方用いておこないます。
術後の保護
手術部位を圧迫や摩擦から保護するために、医療用のスポンジ保護材で保護します。
術前診察と治療法選択のポイント
- 手術デザインの決定のため、術前のかたちの診察をおこないます。
- 他院での手術後の場合には、安全な血流を考慮しながら適した手術方法を検討することがあります。
術後経過
手術当日は創部からの出血をおさえるためにガーゼ保護が必要です。ガーゼ保護の上から防水フィルムを貼りますので、当日からシャワー浴は可能です。手術翌日に診察をおこない、出血がおさまっていれば手術部位も含めたシャワー浴が可能になります。 | |
手術した部位の組織はしばらくの期間、むくみによって本来のボリュームよりふくらんで見えることがあります。また、組織の反応により最初のうちは硬くなるため、多少の左右差が起きたり、自然な形態があらわれないこともあります。これらは組織の自然な反応であり、術後2〜6ヶ月ほどでおさまります。 |
起こりうるリスク
- 感染
- 創部の感染の危険性は低いですがゼロではありません。感染の兆候がある場合は、抗生剤治療などを検討する必要があります。
- 皮下縫合の糸の露出
- 表面の皮膚縫合をおこなう非吸収性の糸は術後1週間で抜糸します。皮下を縫う吸収性の糸は吸収されてなくなるまでに3〜4ヶ月ほど要します。小さな範囲で細かい縫合をおこなうため、その前に皮下の吸収性の糸が表面に露出することが稀にあります。そのような場合には、露出している糸を切除する処置をおこないます。
- 陥没の再発
- 術後の乳頭への圧迫は、再発の最大の原因となります。スポンジでの保護は陥凹の程度により術後2〜6ヶ月ほど継続する必要があります。
- 目立つ傷あとや色素脱失・沈着
- 乳頭は通常傷あとが目立たなくきれいになりやすい部位ですが、術後の圧迫や摩擦などの刺激は傷あとや色あいが目立つ原因になります。これらが落ち着くには数ヶ月かかりますので、適切なアフターケアを継続することが何よりも重要です。
- 手術部位の知覚低下
- 手術部位の皮膚の知覚は術後低下し、術後数ヶ月から長い方で1〜2年でゆっくりと回復してきますが、稀にじゃっかんの知覚低下が残ることがあります。
料金
陥没乳頭形成術 | 陥没乳頭を解消する手術治療です(50歳未満の授乳障害のある陥没乳頭に対しては保険適応となります)。 | ¥440,000 |
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FAQ
術後の痛みはどれくらい続きますか?
ほとんどの場合は術後の痛み止めで痛みを感じない程度良好にコントロールされます。痛みは通常1〜2週間ほどで自然に落ち着きます。
仕事はいつから復帰できますか?
デスクワークは手術翌日から再開できます。体をよく動かすお仕事や運動は、術後1〜2週間後から再開できます。
保護のスポンジはどれくらい継続する必要がありますか?
乳頭は周囲より突出したかたちをしていて、圧迫や摩擦の刺激を受けやすい部位です。陥没の再発を予防し、目立たないきれいな傷あとにするために術後2〜6ヶ月の保護を推奨しています。
術後に授乳はできますか?
乳管の機能を温存しますので、術後6ヶ月ほど経過し傷あとが落ちついたあとは授乳はおこなっていただけます。陥没の変形が重度の場合は、大幅に乳頭を引き出すと授乳機能に影響が出る可能性もあるため、機能とみためを両立した無理のない治療計画を術前にご相談いたします。